香港人による北上する夢:真の「グリーン」農家になること

緑色で、無公害……人々の健康意識が高まるにつれ、食品の安全性に対する要求もますます厳しくなっています。かつて香港の人々は、中国からの輸入品と聞くと、大抵避けようとしました。しかし、本土の農場だからといって、必ずしも農薬を多用したり添加物を過剰に使用したり、衛生環境が悪かったりするのでしょうか?

公開日時:

2021-10-28


緑色で、無公害……人々の健康意識が高まるにつれ、食品の安全性に対する要求もますます厳しくなっています。かつて香港の人々は、中国からの輸入品と聞くと、大抵敬遠していました。しかし、内地の農場だからといって、必ずしも農薬を多用したり添加物を過剰に使用したり、衛生環境が悪かったりするのでしょうか?

今回の物語の主人公である李道德氏(以下、「李さん」と略す)は、自身の実体験を通じて、信念さえあれば中国産農産物の安全性を十分に確保でき、中国のグリーン農業には確かな未来があることを証明しました。香港出身の李さんは、半世紀を迎えるこの年に、思い切って都会での豊かで快適な日々を捨て、中国湖南省南部の山あいの地へと飛び込み、自ら手がけた壮大な規模のグリーン農場を築き上げました。そのすべては、ただ一つのシンプルな想いからでした。李さんは郴州展翔グリーン農業有限公司(以下、「展翔農業」)を設立し、生産される農作物や家畜・家禽製品が一切の汚染を排除し、人々の健康を守ると同時に、自然生態系の保護にもつながることを願っています。

都市から農村へ、「ボス」から「農夫」への伝説の転身

農村は、李生が暮らす都市からかなり離れており、農業もまた、彼の生活とは無縁に思えた。もともと李生は東莞で規模の大きなプラスチック金型工場を経営し、豊かで何の心配もない生活を送っていた。しかし、2004年にリレー形式で8,000キロ余りを踏破し、10の省・市を横断、さらに101の区や県を通る大規模なチャリティーフットウェイ募金活動に参加したことをきっかけに、それまでの人生の軌道が一変した。あの年の教育支援長征について語った李生は、甘粛省を訪れ、黄土高原を見た際、100キロ四方に木々はおろか、一本の草さえ見当たらず、ただ舞い上がる砂埃だけが広がっている光景に衝撃を受けたと語った。また、湖南省の石炭地帯を通過した際には、人間も家畜も全身が煤だらけで、真っ黒に汚れている姿を目にして胸が締め付けられるような思いを抱いたという。深刻な環境汚染の実態を目の当たりにし、そのときから自分に何ができるのか、という考えが次々と頭をよぎり、非常に重い気持ちになったと振り返った。